鶴見歯科医院の学会発表・抄録

学会発表
学会発表
鶴見歯科医院(横浜市西区)では日々の症例を未来の治療に役立てることを目的に、
各学会に積極的に参加しております。


インプラントにより臼歯部咬合回復を行った症例
○梅津健太郎、小柳光蔵、三宅忠隆、一瀬昭太、磯野智子、土屋穂積、佐藤英人

I.緒言
今回、2歯の片側遊離端欠損に対してインプラント 治療により咬合支持、口腔機能、清掃性、及び 審美性の改善が見られたので報告する。

 

II.症例の概要
患者:60歳女性
主訴:右下F6Dブリッジの違和感と食片圧入
現在:ブリッジの支台歯である右下7は骨吸収が進行しており、パノラマ]線写真で中等度の垂直性骨吸収を認め 歯周ポケットは6mmと深かった。
診断:右下7は保存不可能と診断した。 

 

III.治療内容

診査診断の結果、7は保存不可能と判断し抜歯した。
軟組織、骨の回復を待ち抜歯から1ヶ月半後に1次手術を行い右下6に直径5mm長さ13mm、右下7に直径5mm長さ10mmのカルシテック社製インプラントを埋入した。3ヶ月後に2次手術を行った。ブリッジの支台歯となっていた右下5と共にインプラントのアバットメントの印象採得を行い、765のプロビジョナルクラウンを装着した。咬合状態は側方運動時インプラント部には咬合干渉を与えず、犬歯、第一及び第二小臼歯によるグループファンクションドオクリュージョンを与えた。そして、審美性、清掃性が良好なことを確認した後に最終印象を行い、上部構造を装着した。

IV.結果・考察

上部構造装着後、3ヶ月ごとにメインテナンスを行い、1年に1回]線写真検査を行っている。咬合状態も安定しており口腔清掃状況も良く、インプラント周囲組織に異常所見は認められていない。
       
2歯の片側遊離端欠損に対する補綴処置に対して天然歯を支台とするブリッジや可撤性義歯は、支台歯に過剰な負担をかけることがある。本症例はインプラント治療を行いブリッジの支台歯に対する過剰な咬合力の負担を防止したことで、咬合力の分散により違和感が改善された。また、清掃性も向上し、審美的な満足も得られた。

V.結論

インプラントは可撤性義歯と比較すると残存歯に対する咬合負担の軽減や歯質保全の観点から、極めて有益な治療法であるといえる。
現在、歯科治療へのニーズは多様化し高度化しているため、単なる機能回復だけでなく、装着感覚、日常のメンテナンスの簡便性及び審美性を含めた全体解決が必要であると考える。 

咬合崩壊をインプラント治療で修復した症例
神奈川県題5回芸術大会抄録

咬合崩壊をインプラント治療で修復した症例
○一瀬昭太、井野 智、磯野智子、小柳光蔵、鶴見輝彦
1)医療法人審美会 鶴見歯科医院(西関東支部)
2)神奈川歯科大学顎口腔機能修復科学講座歯科補綴学分野

I.緒言
欠損を長期にわたり放置した症例は咬合崩壊、すなわち咬合高径の低下を招いていることが多く、複雑な治療体系が必要とされる。我々は、下顎臼歯部へのインプラント治療で、咬合修復だけでなく、残存歯の歯周組織改善を行い良好な結果が得られたので報告する。

II.症例の概要
患者:59歳(初診時)男性
初診:平成15年4月21日
主訴:下顎右側臼歯部の咀嚼障害
現症:7|7 6|6の長期間放置が原因と思われる臼歯部咬合平面の乱れ、不良な歯冠補綴装置による咀嚼機能の低下。

III.治療内容
上顎前歯(天然歯)を基準として、Comfortable Zoneを試行錯誤的に確認しながら咬合挙上を行い、両側臼歯部に
補綴装置を入れるスペースを確保した。これにより口腔清掃状態も向上し、インフォームドコンセントの結果、患者の同意が得られたので、インプラントを含めた固定性歯冠補綴装置による咬合の再構築を行った。

IV.経過観察と考察
現在、装着後3年6ヶ月を経過し、良好な口腔状態を維持している。本症例では、ブリッジが装着されていた支台歯に対し、欠損部にインプラント治療を行うことで、過重負担の軽減や清掃性が向上し、歯周組織の改善を得た。
また、7|の抜歯により遊離端欠損になった右側臼歯部へのインプラント治療は、挙上した垂直的顎位の維持や咀嚼効率の向上に有効であることがわかった。
歯冠外アタッチメントを用いた可撤性義歯の1症例
神奈川県題5回芸術大会抄録

○齊藤真吾 松井新吾 磯野智子 風間智之 梅津健太郎 小柳光蔵 鶴見輝彦
医療法人審美会 鶴見歯科医院(西関東支部)

I.目的
トップダウントリートメントによりシステム化されたインプラント治療は、予知性が格段に向上したことや、患者のQOL
向上および多様化に伴い、一般臨床において急激に普及している。一方で、従来から行われている可撒式粘膜負
担義歯は、その需要が失われたわけでなく、適応範囲の広さを背景に、選択肢の一つとして幅広く支持されている。そこで今回我々は、歯冠外アタッチメントであるミニダルボを用いた1症例を紹介し、その有効性について報告する。

II.方法
患者:73歳、女性。
主訴:歯がぐらぐらして噛めない。
現症:F6D|5
        |6 部にクラウンブリッジ、765|457に部分床義歯が装着されている。
全身的既往歴:3年前より高血圧症と脳血管障害により医科で受診中。まず、歯周基本治療から始まり、
保存不可能歯は抜歯をして暫間義歯を装着し、バーティカルストップを確立した。その後、残存歯をプロビジョナル
レストレーションに置き換え、歯周組織の改善が得られたところで最終補綴処置に移行した。765|4567欠損部は
歯冠外アタッチメントのミニダルボを用いダルボアタッチメント義歯とした。


III.結果と考察
最終補綴装着1年半後、残念ながら顎堤の吸収に伴う床内面の不適合が確認されたため、リライニングを行った。
現在、3年経過予後観察を終えたところだが、咀嚼能率、発音、審美性といった機能的回復は維持されており、
患者の要求を十分に満たしたまま良好な経過を維持している。
本症例は、インプラントを含む積極的な外科的侵襲が困難な症例であっても、十分な審美性と咬合回復が得られた
と考える。今後、超高齢化社会を迎えるにあたり、補綴装置の特徴や適応性を考え、患者に有益な治療を提供することが重要であると考察した。
インプラント治療で上顎中切歯の補綴処置を行った症例
神奈川県題5回芸術大会抄録

―エクストリュージョンの併用―
○三宅忠隆、井野 智、沖津決起、小柳光蔵、鶴見輝彦
1)医療法人審美会 鶴見歯科医院(西関東支部)
2)神奈川歯科大学顎口腔機能修復科学講座歯科補綴学分野

I.緒言
一般に、上顎前歯欠損症例では、唇側部の歯槽骨吸収が大きく、インプラント支持による補綴処置を行う際、埋入位置が舌側に規制されるなど、審美的回復が困難であることが多い。我々は、抜歯前提とした上顎中切歯に対し、エクストルージョンによる歯槽骨の修復と造成後、インプラント処置を行い、良好な結果が得られたので報告する。

II.症例の概要
患者:56歳(初診時)女性
初診:平成15年7月18日
主訴:|1.審美的障害
現症:下顎左側臼歯部欠損の長期間放置により咬合バランスが乱れ、咬合性外傷による上顎中切歯の歯槽骨吸収および歯軸傾斜と唇側転移。

III.治療方針および治療内容
X線検査および歯周組織検査より|1は抜歯適応であった。両隣在歯は天然歯で、清掃性や残存歯の影響を考慮し、インフォームドコンセントを行ったところ、同意が得られたのでインプラント治療による歯冠補綴処置を行うこととした。まず、臼歯部での垂直的顎位の確保を優先とした治療を行い、併行して|1の保存処置および矯正的挺出を行った後、抜歯およびインプラントの埋入と歯冠補綴処置を行った。

IV.経過観察と考察
本症例では、同名隣在歯の形態的、機能的問題が無かったので、これを基準としてシンメトリックに最終補綴処置を仕上げることが出来た。また、前歯部インプラントによる補綴処置においてエクストリュージョンの有効性を確認できた。

不良補綴装置により生じた咀嚼障害を全顎的に改善した一症例
神奈川県題5回芸術大会抄録

○三田井勝也、服部慎太郎、唐澤博士、小柳光蔵、鶴見輝彦
1)医療法人審美会 鶴見歯科医院(西関東支部)
2)神奈川歯科大学顎口腔昨日修復科学講座歯科補綴学分野

I.緒言
多数歯にわたる臼歯部欠損症例では、可撒性の義歯よりも固定性の補綴装置による修復の方が有利であることは疑う余地が無い。今回は、全顎的な補綴処置を行うにあたり、下顎臼歯部欠損に有床義歯の代わりにインプラントを用いることで良好な咬合関係を得ることが出来た症例を紹介する。

II.症例の概要
患者:56歳(初診時)女性
主訴:左側臼歯部咀嚼障害
現症:下顎左側臼歯部欠損に対するパーシャルデンチャーの不適合により咬合バランスが乱れ、咀嚼障害を生じている。また、修復歯のほとんど全てがマージン露出による二次カリエスを発症している。

III.治療方針および治療内容
先ず口腔清掃の必要性に関する強い動機付けを行ってから、下顎義歯床下の残根抜歯、全ての不良補綴装置の除去を行った。左下臼歯部欠損に関しては、義歯に対する強い不満を持っていることからインプラント治療を提案したところ同意を得ることが出来た。適切な咬合関係が得られるようスタディモデル上で診断用ワックスアップを行い、プロビジョナルレストレーションに反映させた。下顎残存前歯以外はポーセレンによる最終歯冠修復を行った。

IV.経過観察と考察

有床義歯による臼歯部欠損補綴の代わりにインプラント修復を施したことにより、咀嚼障害を改善すると同時に良好な咬合関係を確立することが出来た。

鶴見歯科医院におけるインプラント臨床の現状
神奈川県題5回芸術大会抄録

○松井新吾・吉田佳奈子・三井田勝也・中島 厚・小柳光蔵・鶴見輝彦
西区歯科医師会 (医)鶴見歯科医院

I.緒言
日常の診察の中で、一般的な治療法のひとつとして患者サイドからインプラント治療を希望されることも最近では多くなってきた。また、患者サイドだけでなく我々医療サイドからもインプラント治療を勧めることが多くなってきた。これは、社会的にインプラント治療が認知・浸透してきているものと思われる。鶴見歯科医院においてもインプラント治療は近年、飛躍的に症例数の増加が見られる。
ここ数年でのインプラント治療は大変成功率が高く、予知性も高いことで十分な成果が上げられていると思う。
しかし、まだ適応外のものや、難症例のものも多く、十分な結果が得られないことがあるのも現実である。新しい技術・材料がめまぐるしく変化し、その中で適応症も大きく変化している。患者サイドのみならず医療サイドでも氾濫した情報を整理し検討するのはかなり難しい。そこで今回、鶴見歯科医院における現状の確認と過去の症例を考察したいと考える。現在の診療体系や今でのインプラント治療の実績を報告する。

II.内容
最近の過去5年間の当院におけるインプラント臨床  644症例  2195本(平成18年9月)をさかのぼり、いくつかの角度から現状・推移をまとめた。
現段階での当院のインプラント治療の環境・診療体系を紹介する。

III.まとめ
当院におけるインプラント臨床は術式の多様化に対応可能な環境とそれを生かすだけの知識と技術に支えられていると考えることが出来る。しかし、それだけではなく、多くの経験により歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の連携がスムーズとなり、診療所全体のインプラント治療に対する準備と考え方の統一が計られたことがおおきいと考える。
現在ではチーム診療が浸透し、ただ治療をおこなうだけでなくメインテナンスシステムの確立や今回のような統計整理ができる環境にまでなっている。今回統計整理するにあたり客観的数値により自院を外から見ることができた。今後はこのような数値を次につなげる環境整備をしていきたい。

演題 患者適正顎位を求めて3 インプラント欠損補綴
社団法人日本補綴歯科学会
平成17年度 社団法人日本補綴歯科学会 西関東支部学術大会
日時・場所 平成18年1月8日 パシフィコ横浜 アネックスホール患者適正顎位を求めて3

○松井新吾、深谷雅浩、古宇田剛、一瀬昭太、斉藤真吾、小柳光蔵、鶴見輝彦
西区歯科医師会 (医)鶴見歯科医院

T、目的
多数歯にわたる欠陥により顎位が著しく不安定となった症例において強固なオクルーザルストップとオクルーザルガイダンスの確立が顎位の模索に強固な支台装置としてインプラント治療を選択した。患者固有の顎位の模索を行い、機能回復と審美改善を行った症例を報告する。

U、方法
初診時患者は63歳 女性 咀嚼障害・審美障害を主訴に来院。当時は強い疼痛により偏頭痛・吐き気・目まいが頻発し、体調不良も訴えていた。
既住歴は歯科恐怖症により今まで継続的に歯科を受診したことは無く現在に至る。現症は残在歯全てに大きな動揺と自然排膿・出血を認める。顎関節部にも咀嚼時疼痛を認める。
まず、保存可能な天然歯の保存処置を行い、左下4567相当部にインプラントを埋入、プロビジョナルレストレーションを用いて顎位の模索をはかり、デンタルプレスケールにて顎位の評価をした。顎位の安定が得られたところで最終補綴装置へと移行した。

V、経過・考察
最終補綴装置装着後、患者の満足度は非常に高く、経緯も大きな変化無く推移している。経過の中で、年に2〜3回程度の大きなブラキシズムを確認している。短期間のナイトガードの使用で対応している。歯周管理、デンタルプレスケールによる咬合の確認、ブラキシズムの対応を継続的に行って行きたいと考えている。また、最終補綴装置装着後も続くブラキシズムのコントロールに関しても対策を考えていく。

演題 口腔の顎位安定をリジットサポートで求めた症例
社団法人日本補綴歯科学会

○藤井修美、有坂龍、木村修、山中浩明、小柳光蔵、鶴見輝彦
西区医師会 (医)鶴見歯科医院

T、目的
パーシャルデンチャーにおける維持装置は、多数の種類がある。その中でも、パーシャルラレルミリング装置によるリジットサポートは、支台装置と義歯床を強固に連結できる維持装置の一つである。これにより機能回復の向上が図り易く、本症例における口腔の顎位安定を求める上で義歯の安定を得られやすい。このようなことから、直接維持装置として用いることで良好な結果が得られたので報告する。

U、方法
患者は765-|欠陥であり、数年前にパーシャルデンチャーを作成したが義歯の安定が得られないことから使用していない。そのため主に、左側のみで咬合を繰り返していたことによると思われる顎位の偏位や、補綴物咬頭の変磨耗も見うけられた。
そこで、適切なオクルーザルガイダンスを付与するために全顎的治療を施すと共に、プロビジョナルレストレーション及び欠損部位には暫間義歯を作成することで顎位の安定を模索した。そして、患者自身が、プロビジョナルレストレーションと暫間義歯に違和感が生じないところで、最終補充物に移行することとした。

V、結果
リジットサポートを用いたことにより、支台装置と義歯床の強固な連結が得られ、義歯の機能回復及びパーティカルストップを与えることが出来た。また、適切なオクルーザルガイダンスを与えたことで良好な咬合関係が確立された。これらのことによって、患者に口腔の顎位安定を付与することができた。これらのことから十分な診査・診断を行い適切な治療を施すことで、予後が良好な治療結果を得られる為の重要性を学ぶことができた。

歯根破折により欠損した前歯をインプラントにより回復した一症例
社団法人日本補綴歯科学会

○磯野智子、服部慎太郎1)、一瀬昭太、風間智之、三井田勝也、三井田慶介、三宅忠隆、斉藤真吾、
  唐沢博士、小柳光蔵、鶴見輝彦
医療法人審美会 鶴見歯科医院
1)神奈川歯科大学顎口腔機能修復科学講座歯科補綴学分野

A Case of an immediate implant procedure on fractured antherior teeth

Isono Tomoko ,Hattori Shintaro1),Ichinose Shota,Kazama Tomoyuki,Miida Katsuya, Miida Keisuke,Miyake Tadataka,Saitou Shingo,Karasawa Hiroshi,
Koyanagi Kozo,Tsurumi Teruhiko

Tsurumi Dental Clinic

1)Div.of Prosthetics,Dept.of Oral and Maxillofacial Rehabilitation,Kanagawa Dental College


T.目的
一般的に日本人の前歯唇側骨は被薄で、抜歯後の治療に伴い更に吸収する。インプラント埋入において、唇側骨の不足は埋入位置も限定され、審美に影響する。
今回、我々は唇側骨と審美の問題、外科的侵襲を最小限にする目的で、抜歯と同時にインプラントを埋入した一症例を報告する。

U.方法
患者:52歳 女性
主訴:前歯の被せ物がたびたびとれてしまう
現症:左側中切歯の破折
既往歴:特になし
X線診査および視診により、左側中切歯の破折は不可部におよぶことから抜歯適応となった。両隣在歯は天然健全歯で、残存歯への影響を考えインプラント
治療に対するインフォームドコンセントを行ったところ、患者の同意が得られたのでインプラント治療による歯冠補綴処置をすることとなった。
抜歯前のCT検査や歯周組織検査により周囲骨を診査したところ、破折による感染や骨吸収が少ないことから、抜歯と同時にインプラント埋入を行うことにした。

V.結果と考察
抜歯と同時にインプラントを埋入することにより、外科的な侵襲を最小限ににし、患者の負担を軽減することができた。また、唇側の骨を保存することができたことから、機能的にも、審美的にも良好な結果を得ることができた。

前歯部歯根破折に対する補綴処置症例
社団法人日本補綴歯科学会

○風間智之、服部慎太郎1)、三井田勝也、三井田慶介、三宅忠隆、斉藤真吾、一瀬昭太、磯野智子、
  唐澤博士、小柳光蔵、鶴見輝彦

医療法人審美会 鶴見歯科医院
1)神奈川歯科大学顎口腔機能修復科学講座歯科補綴学分野

A Case of prosthodontics practice on root fractured anterior teeth

Kazama Tomoyukim. Hattori Shintaro 1).Miita Katuya. Miita Keisuke. Miyake Tadataka.
Saitou Shingo. Ichinose Shota. Isono Tomoko.Karasawa Hiroshi.Koyanagi Kozo. Tsurumi Teruhiko

Tsurumi Dental Clinic


T.目的
補綴治療の目的は、失われた機能を回復し、かつ欠損拡大を食い止め、生活の質を向上させることである。
そのためには、さまざまな補綴装置の選択肢が考えられる。今回、前歯1歯欠損に対し、ブリッジを選択した1症例を紹介し、その有効性について報告する。

U.方法
患者:42歳、女性
主訴:前歯が欠けた
全身的既往歴:5年前より高血圧、糖尿病

保存不可能歯の抜歯後の治療について、
1、インプラント治療
2、B2@|のBr|@A単冠
3、B2@|@AのワンピースBr

この1〜3を考えた。

患者は、コントロール下ではあったが、重度糖尿病であったため前歯部歯肉の審美回復、術後の感染率、メンテナンスの困難性などを考え、インプラント埋入は除外した。

V.結果と考察
現在まで、装着後1年9ヶ月が経過したが、歯肉の退縮などは見られず良好な口腔内状態を維持している。抜歯後すぐにプロビジョナルレストレーションを装着しオベイドポンティックにしたことで、審美的な改善を簡単にすることができた。
インプラント治療を行い、感染による歯肉の退縮などのリスクを考えると、この症例においては、ブリッジによる補綴処置で正解だったように思われる。
支台歯が健全歯であったとしても、インプラントではなく、従来からの治療法が適切である場合があることを示すことができた。今後も定期的に経過観察を行っていく予定である。

欠損部歯槽形態の変化を考慮した前歯部ブリッジ補綴の一症例
社団法人日本補綴歯科学会

一瀬昭太

鶴見歯科医院
Case of determining bridge shape for patient with anterior tooth loss and evolving gum level

Ichinose S

Tsurumi Dental Clinic


T.緒言
近年、前歯部補綴修復に関する患者の審美的要求が高まっている。今回、前歯部歯根破折に伴うブリッジ修復に関して、歯槽部の形態の変化に考慮した一例を経験したので報告する。

U.症例の概要
患者:71歳 女性
初診:平成18年1月
主訴:前歯部審美障害
現症:歯根破折が原因による前歯部補綴装置の脱離

V.治療内容
歯根破折を起こした|1抜歯の後、@|1ABr形成を行い、即時プロビジョナルレストレーションを装着した。抜歯後に起こる唇側歯槽骨を中心とした骨吸収に留意しながら、ポンティク形態の調査を行い、欠損部歯槽底粘膜の形態修正を行った。

W.経過観察と考察
現在装着後3年2ヶ月が経過し、良好な状態を維持している。本症例では、抜歯と同時に歯槽骨の吸収防止、歯肉縁形態、歯間乳頭の維持を目的としたオベイドポンティック形態のプロビジョナルレストレーションを装着することで、欠損部の形態変化に対応した。
今回の様に、抜歯予定歯の歯頚ラインが両隣在歯より低かった事、歯根破折部位が歯冠側寄りで、唇側の骨吸収が少なかった事などの条件が整えば、オベイドポンティックを用いたプロビジョナルレストレーションで歯槽部の審美性を考慮した前歯部補綴処置が可能なことがわかった。

演題 正中離開の補綴学的矯正
平成18年度 TDG歯学検討会

場所 横浜歯科技術専門学校 西口校舎 5F教室
正中離開の補綴学的矯正
○山中浩明・井上真理子・水田敦子・小山つかさ(本院第6診療室)

近年、患者自身の歯に関する関心及び知識は高まってきた。
マスコミ等でも、日常的に歯科領域の話題が取り上げられている。このことは、我々にとって、ビジネスチャンスであると同時に患者の要求がより高度でシビアなものになってきているといえる。つまり、従来の歯科治療だけではなく、患者に提案できる多くの方策を持つべきである。特に、上顎切歯は患者の審美的要求の高い部位である。今回は、ホワイトニング・簡易MTMを併用して短期間の治療で十分な患者の満足を得られた症例を報告する。
KEYWORD:補綴学的矯正、クラウン・カントゥアー

患者教育の手法について
平成18年度 TDG歯学検討会

○朝香友起子・籾山つかさ・遠藤麻樹・井上真理子・玉目記代美・谷川静江・金子文美(本院歯周予防室)

歯科医療において、治療側と患者との信頼関係の構築が重要であることはすでに周知のことでありますが、なかなか思うような成果が見られないことがしばしば見受けられます。
長期にわたって健康を維持・増進するためには、もっとも重要とされるのが「セルフケアの継続」です。良好な結果が出ることもあれば出ないこともある。知識の習得や技術的な研鑽、または経験だけでは解決できない問題がある。要するに、患者さんの協力なくしては、健康への回復、健康維持・増進は難しいということです。
日々の診療の中で実践している、信頼関係構築の手法を症例を通じて報告します。

ホワイトクラスプの臨床応用症例
平成18年度 TDG歯学検討会

○岡本健介・佐野泰士・奥山敏行・前田真克・降幡成仁・吉元宏樹・松尾悦郎・中島厚
  (横浜歯科技術専門学校 歯科技工士科/西口診療室)

近年、歯科補綴装置には審美性が強く求められるようになってきました。その中で部分床義歯の審美性を追求していく上でクラスプに注目してみました。
今までも改善する方法としてアタッチメントデンチャーやコーヌスデンチャーなど対処法はありましたが、最近新たに鉤歯と同色に製作できるホワイトクラスプが考案され、部分床義歯の維持装置として用いられてきています。
ホワイトクラスプとはアセタル(熱可塑性レジン)という樹脂で製作するクラスプで生体親和性がよく耐久性・耐摩耗性に優れ、吸水性がほとんどなく、変色もしない材質で、ビタシェード16色があり、鉤歯のシェードに合わせることができ(歯肉色も3色あり、歯肉にも合わせることができる)金属色のクラスプから歯冠色のクラスプとなり大きく審美性を改善できます。
また、アタッチメントデンチャーやコーヌスデンチャーと比べ、短時間で製作でき、歯科補綴装置を永く使用していく上で正しく製作することにより長期間維持力を保てるという和田精密の実験結果も聞きました。
今回はそのホワイトクラスプの臨床応用症例を紹介します。

スウェーデン歯科衛生士研修報告
平成18年度 TDG歯学検討会

○山口真樹(西口5F診療室)

スウェーデンの歯科衛生士教育は、1968年にスタートした。現在のスウェーデンの歯科衛生士は教育制度はもちろん、臨床的にも業務内容においても成熟している。また専門職としての社会的認知度から見ても成熟していることは知られている。
当然、産休制度など、女性が仕事をしやすい社会的背景である環境の相違はあるが、歯科衛生士の特性を明確化していることが最も大きな特徴であるといえる。つまり「歯科衛生士とは何か。何をすべきか」ということをきちんと把握し、歯科衛生士業務への責任と自信を持ち、専門職(プロ)としての誇りを持っていることが歯科衛生士の地位を確立させたといえる。また、現場において、仕事を楽しみながら自分自身を磨くことで更なる成熟度を増し、大きな期待感さえ感じられた。
現在、日本の歯科衛生士の仕事は多岐にわたり多くの役割を負担しなければならない。一方では、歯周治療とその予防を必要とする患者さんは確実に増加している。このような状況のなかで歯科衛生士が歯周治療とその予防に対して自信と責任を持つことは歯科衛生士が専門職であること再認識する必要がある。このことは、仕事の効率化にもつながると考える。
今回、実際に臨床に触れることができたのでここに報告したい。

咬合崩壊を起こした症例に対し、臼歯部機能回復を行った一症例
平成18年度 TDG歯学検討会

○磯野智子・一瀬昭太・風間智之・籾山つかさ・糸賀恵理・金子智代・玉寄明日香(本院第9診療室)

臼歯部多数歯欠損の状態を長期にわたり放置したことにより額口腔機能の低下(咬合高径低下・歯の移動・顎堤の変化・粘膜の変化)をきたした患者に対し、プロビジョナルレストレーションにて咬合挙上を行い、カンフアタブル オクルーザル ゾーンの模索を行った。
模索を繰り返し咬合の安定が得られ、十分な機能回復が得られたところで最終補綴装置を作成した。
咬合高径の確保・額口腔機能の改善がみられ、患者・術者ともに満足な結果が得られたので報告する。

審美外科外来における歯科衛生士の取り組みについて
平成17年度 TDG歯学検討会
日時・場所 平成17年11月12日 横浜歯科技術専門学校 西口校舎 5F教室

○渡辺美喜子・玉目記代美・谷川静江・遠藤麻紀・日浦香織・橋詰泰子・金子文美 (本院 歯周予防室)

近年日本人の動向として、トヨタ自動車がレクサスブランドを日本展開したのを象徴に、物には「コスト」よりも「クオリティ」を求める時代となってきています。歯科の分野でもしかりで、ファッション誌や情報誌、TV番組などで「審美歯科」についての情報が多数提供されるようになってきています。口元に「美」というクオリティを求める結果であると思われます。
実際、臨床の現場でも、歯石除去やタバコなどのステイン除去以外にも「銀歯を白くしたい」「ホワイトニングしたい」という患者の声も増えつつあります。
しかし口元の美に必要不可欠なのはホワイトニングでもメタルボンドでもいなく、健康な口腔内であり、カリエスのない歯、健康なピンク色の歯肉があってこそ美しい、まさに健康美なのです。クオリティの高い治療を望む患者に対し、予防処置、メンテナンス・ケアは必須事項である、私たち歯科衛生士の役割は極めて重要であると思われます。更に、医師には伝えにくいことや、細かな要望を聞き出すことも、より身近にコミュニケーションをとれる私たちの職業の役目ではないかと思われます。
今回、審美歯科という分野で、歯科衛生士の役割や処置内容、メンテナンス・ケアなどを整理し、今後の展開も含めてここに報告したいとおもいます。

光重合WAXを利用したクラスプ制作
平成17年度 TDG歯学検討会

○小島勇一・鈴木孝春・森野隆臣・小松幸一・伊藤学・白川太・松尾悦郎
  (横浜歯科技術専門学校 歯科技工士学科)

現在、パーシャルデンチャーのキャストスクラプを製作する方法として、複模型(耐火模型)を製作してからワックスアップを行う工程が主として用いられています。しかしこの方法は、本模型(作業模型)から複印象をとるという作業と、そこから複模型を作製するという2つの作業が入り、寸法変化に影響を与えやすく、また、工程が複雑になるという難点があげられます。
そこで今回、光重合ワックスを用いることで、複印象から複模型製作までの工程を省略できる製作工程を紹介し、また、アンダーカット量(0.25、0.5、0.75mm)室温温度、術者の熟練度が適合性の状態に変化を与えるかどうかを実験検証し、結果について見当した事項を考察を踏まえて報告いたします。

個性的審美歯科治療を行った一症例
平成17年度 TDG歯学検討会

○有坂龍・木村修・藤井修美・朝香友起子・井上真理子・藤井恵美・高橋美里・上村理恵子・桜庭百合子
  ・奈良幸子(本院第3診療室)

近年、患者の審美的要素に対する要求は、ますます高くなっており、審美歯科治療は歯科医療界において、大きな潮流となっている。そして、それに応えるべく、審美歯科に関する知識、技術やセラミック、ジルコニア、グラスファイバー、ナノテクノロジー材料などの歯冠材料の開発が進み、従来の修復法に比べて格段に審美的な修復が可能になってきた。
しかし、最近の学会、歯科専門雑誌、論文等で発表されている審美修復治療をみると、人工的な審美を求める傾向が強いように思われる。天然歯列において、完全に対称なものはほとんどないと言ってよい。無機質な人工美ではなく、天然歯の持つ個性に応じた自然美を補綴装置で表現するにはどのようにすればよいかということに焦点をおき、口腔内の審美領域である上顎前歯部においての個性美、自然美という観点で審美回復治療を行った症例を経験したのでここに報告したい。

キーワード:  ウィング排列
         切端エナメル質の透明感
         陶材焼付鋳造冠(PFMC)

比較検討を行った総義歯の臨床例
平成17年度 TDG歯学検討会
日時・場所 平成17年6月4日 横浜歯科技術専門学校 西口校舎 5F教室

○斉藤真吾・山本克之・梅津健太郎・椿美保・能重仁美・小林由佳・国武京子・小原一憲・斉藤郁美
  (西口2F診療室)
  白井洋樹・前田克行 (株)セカンド・ラボ

近年、8020運動などに代表される、欠損歯をなるべくつくらない動向が歯科医療業界では盛んに叫ばれている。また反面、欠損に際してはインプラント全盛の時代にもなってきている。しかし、実際の臨床では可撒性義歯を使用している患者は今もって覆い現状である。我々歯科医師は、目新しい治療技術を追いかけるのも良いが、以前よりある義歯について、常に学ばなくては実際の欠損補綴臨床には対処できない。特に、総義歯に関しては維持安定、咬合、審美、材料学的耐久性など課題が非常に多い。
今回、上顎の総義歯破折を主訴に、義歯の新製を希望した患者に対し、作成方法、材料、設計等について、同一症例で比較検討し、利点、欠点双方に対して様々な結果を得ることができたので、ここに報告したい。

  1.レジン床とメタルアップの金属床(チタン使用)の比較
  2.前歯部を通常に排列したものとウィング排列にしたものの比較
  3.通法の印象方法と旧義歯を利用した印象方法の比較

モチベーション向上手段の一例
平成17年度 TDG歯学検討会

○林洋子・金子文美・玉目記代美・谷川静江・村上愛・日浦香織・遠藤麻紀 (本院 歯周予防室)

ここ数年で日本は情報化社会となり、様々な形で医療情報が簡単に手に入り、患者の医療への関心は高まってきている。患者自身が知識を高め、価値観も多様化しているため、医療従事者主訴のみの治療だけでは十分な対応ができない現状である。このような患者のニーズに対応するかたちで、歯科でも患者との接し方を再度見直さなければならにと思われる。歯周疾患を主訴として来院する患者が増加する中で、スケーリング、ルートプレーニングなどの初期治療や、治療終了後のメンテナンスなどで、私たち歯科衛生士は患者と密接に関わる機会の多い貴重な存在であると思われる。
クウォリティの高い治療結果を得るためには、患者のやる気、モチベーションを高め、患者とのコミュニケーションをしっかりとり、患者ニーズを的確に捉えてサポートしなければならない。口腔内情報だけではなく、全身状態、生活習慣などの患者情報をできるだけ多く得たうえで、ひとり一人にあった対応をすることがモチベーションを高める最良の方法であると考える。
今回、いくつかの資料や機材を用いて、モチベーションを高める方法を模索し、これからの患者対応の一考察となるような症例について述べてみたい。

睡眠時無呼吸・いびき防止の一方法
平成17年度 TDG歯学検討会

○辻村正康・山中康裕・寺島公一・増田拓也・成沢賢二・混同聖也・山本克之・松尾悦郎
  (横浜歯科技術専門学校 歯科技工士学科)

いびきはノドが振動している状態だが、ノドがさらに狭くなると、吸気時に気道の壁が吸い寄せられて閉じてしまい、呼吸ができない状態になることがある。これらを総称して無呼吸とよぶ。
この無呼吸が睡眠時に頻繁に起こり、様々な症状を引き起こすのが睡眠時無呼吸症候群である。このことが原因で、起床時に倦怠感、頭痛を感じ、日中も眠気を感じ、集中力が続かなくなることがある。このような状態で車の運転をすると、交通事故の危険性が数倍高くなることも報告されている。
そこで今回、これからの症状を引き起こさないために、睡眠時無呼吸症候群の予防装置として使用されるスリープスプリントのうち、エルコデント社製のSILENSOR-Snorguardのソフトタイプ、ハードタイプを用い、その効果について比較検討したいので考察を交えて紹介したい。

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